もくじ
『こども食堂』と学校の福祉的機能
こんにちは、COTECHI です。
みなさんは、『こども食堂』ってご存知ですか?
実は、私たちの「人生の自遊空間」を実現する「夢活」チームは、この度『こども食堂』 の運営に協力をすることになりました。
へーすごいじゃないか・・・協力って?どんなことをするんだい?
『こども食堂』を運営される MIYAZAKI さんがお困りの課題を解決し、本当に食事を希望されるお子さんたちへきちんとつなぐ仕組みづくりをして、同時に地域のみなさんと共につなぐコミュニティをつくるお手伝いです。ね、 MIYAZAKI さん ・・・
はい。私たちは、美味しいお食事を提供する自信はあるのですが、それが必要とされる子供たちへどのように届けてよいのかがわからないので、困っていましたので。
そうですね・・・今、新型コロナウィルスの感染拡大によって、雇用にも大きな影響が生じており、もともと生活の苦しかった家庭(ひとり親家庭等の低所得家庭)がさらに経済的に厳しい状況になっています。
ひとり親支援団体の調査によれば、勤務・収入が減少し、生命や健康に直結する食生活にも大きな影響が生じていろそうですから、何とかしたいです・・・
こども食堂のよい運営に向けて
Table for Kids System
『こども食堂』の課題とその支援
『こども食堂』の今の課題は、何でしょうか?農林水産省の「こども食堂運営者への調査結果」によると・・・
◆「来てほしい家庭からの参加の確保」「運営費の確保」「運営スタッフの負担の大きさ」が特に大きな課題となっています。
◆地域からの協力については、「住民からの協力が得られない」は 3.6%だったのに対し、「学校・教育委員会」や「行政」からの協力が得られないという回答はそれぞれ17.2%、12.8%であり、教育関係機関や行政といった公的な組織から理解を得ることに課題を抱えている子供食堂も見られました。
◆また、「調理・配膳スタッフの確保が難しい」といった人材確保に関する課題や、「食中毒に不安を感じる」といったリスク管理に関する課題を挙げた子供食堂も一定の割合を占めています。
子供食堂と地域が連携して進める食育活動事例集(農林水産省平成30年3月より)
さらに、現在の新型コロナウィルス感染症防止対策の観点から、食堂内でのテーブルにてお食事をしていただくわけにはいきませんので、調理をしても、お弁当にして、お届けできるシステムの確立が必要です。
また、当面は、月2回の『こども食堂』の提供を予定していますが、その資金や食材の提供者を募るシステムも構築していく予定です。
学校の福祉的機能の向上に向けて
教育関係機関や行政といった公的な組織から理解を得ることに課題を抱えている子供食堂の最大の課題を克服するためにも、私たち学校の教職員が学校の連携機能を最大限活用して、課題克服をしていくことが重要だと考え、以下のような「Table for Kids System」を回転させていくこととします。
教育における福祉的支援の必要性
学校ソーシャルワークが「学校支援」の機能として徐々に教育現場に欠かせないものとなってきています。
それは現在、とくに長期欠席やネグレクトといった「要保護」状況にある子供やその家庭への対応においてだけでなく、「貧困」や「ひとり親家庭」、「外国人対応」など、家庭ここにおける問題は、新型コロナウィルス感染症の影響により、より一層、深刻化しているからだと思います。
そして、支援チームづくりやアセスメント、ケースマネジメント、さらにスクールカウンセリングの進め方などが、学校の校内組織体制や関係諸機関との連携により、より重要性・必要感を増してきています。
さらに、教職員と地域の保健・福祉等の職員との連携や関係調整が可視化できるようになるなど、学校の持つ福祉的ニーズへの対応に有効性が認められてきています。
『こども食堂』を介した学校の福祉的機能の向上
学校の機能を通じた福祉的サービス向上に『こども食堂』
『こども食堂』のスクールソーシャルワーク機能は、学校や教育領域に呼応するだけではありません。
そこには、地域の民生委員・児童委員をはじめ、社会福祉職が学校の機能や教育組織体制といった「場」を介し、子供や家庭への保健福祉的サービスの向上を図ったり、地域の構成員としての学校を子どもや地域住民のウエルビーイングに資する組織・機関として活用したりするという側面もあります。
たとえば、児童相談所や家庭児童相談室から家庭訪問や家庭との連携がとれないときに学校へ見守りや緊急の対処が依頼されることもあります。
こうした機関の業務や福祉的サービス自体を継続維持し発展させるために、学校内部の組織的活動や指導技術を結びつけることは、スクールソーシャルワーカーの配置時点から想定されたことです。
学校や教師を介したソーシャルワーク(学校や教師とともに進めるソーシャルワーク)あるいは、教育領域を媒介した地域福祉や児童福祉、障害者福祉、地域保健は、「実践の事実」として歴史的に数多く存在します。
従来から教師がその一部を担ってきた困窮家庭、長期欠席、非行・青少年問題、不就学、不就労、そして今日に至る学校と児童相談所や家庭児童相談室、警察、健全育成組織,児童福祉施設、保健センターなどとのつながりもその一例です。
そして、現在のコロナ渦において、その必要性がより高まってきていますが、この感染症は、同時に家庭個々の閉鎖性をもより深刻化させている要因になってきたと思います。
私は、今だからこそ敢えて、『こども食堂』 Table for Kids Systemにより、要支援家庭へのお弁当宅配支援( Mechanism to deliver lunch )が、一つの解決策になっていくのではないかと、支援に乗り出しました。
現在の新型コロナウィルス感染症防止対策の観点から、食堂内でのテーブルにてお食事をしていただくわけにはいきませんので、お弁当にして、お届けできるシステムは、閉鎖的で見えにくかった家庭へのコミュニケーションパイプラインの構築に一筋の光をもたらします。
さらに、こうした時期に活動を見合わせている 民生委員・児童委員をはじめ、社会福祉職の動きに活路をつくるとともに各書記官と学校との連携の強化に位置役を買うことになるでしょう。
『こども食堂』には、そんな魅力を感じたのです。
お弁当を届ける仕組みの構築 - Mechanism to deliver lunch -
新型コロナウィルスの感染拡大によって、雇用にも大きな影響が生じており、もともと生活の苦しかった家庭(ひとり親家庭等の低所得家庭)がさらに経済的に厳しい状況になっています。ひとり親支援団体の調査によれば、勤務・収入が減少し、生命や健康に直結する食生活にも大きな影響が生じていることがわかります。
従来より食の支援を行ってきた「こども食堂」は、感染症対策の難しさから、活動再開ができないところも多く、お弁当の配布やフードパントリーなどの方法に切り替えて活動をしています。
今、経済的な事情を抱える家庭に対して、新たな支援のあり方が求められており、早急な取り組みが必要です。
おわりに・・・
こども食堂の今後の可能性は、「地域交流拠点」と「子どもの貧困対策」の2つの機能を、いかに維持・発展させていくかにかかっていると思います。
2つの機能の間にある緊張関係をいかに調整していくか、そしてそれを民間発の取組みであるこども食堂の自発性と多様性を尊重しながらいかにマネージしていくか。簡単ではないが、こども食堂にかぎらず、地域共生を実現していく上で避けては通れない普遍的な課題です。